開発者
課題
現場からあがってくる不具合の報告は、裏付けとなる証拠もなく、問題を漠然と説明しているだけの場合が少なくありません。ラボで問題を再現することも難しく、そのために開発者は、問題の原因がソフトウェアとハードウェアのどちらにあるのか、あるいは顧客がデバイスの使い方を間違えたせいなのかを特定するために無駄な努力をすることになります。こうしたサポート事例は際限のないリソースの消耗につながり、解決までの時間を正確に見積もることが不可能です。そのため開発チームは、管理者のところまでこの事例があがって、指示があるまでは手をつけることを避けようとしがちです。
Field Diagnostics
Wind River Field Diagnosticsは、開発者が問題を再現するために必要なデータを収集します。デバイスに障害が起きた時点でコアファイルが作成されるため、開発者は障害発生時のソフトウェアの状態を検査することができます。デバイスが実行中の場合、フィールドサポート要員は開発者が作成したセンサーポイントを使用して、デバイスを計測して、診断テストを実行できます。このデータはサーバに書き込まれるため、開発者はただちにアクセスして、ローカルで問題を再現することができます。問題を解決するには、開発者は小さなパッチポイントファイルをアップロードすることにより、コードベースの再ビルドやデバイスの再起動さえ行わずに、デバイスソフトウェアにパッチをあてることが可能です。
サポート
課題
デバイスの出荷前にどれほど十分なテストを行っても、現場の状況をラボですべてシミュレートするのは難しいものです。不安定、パフォーマンス劣化、断続的な障害のいずれか、あるいはすべてが、製品リリースから生産終了までのどこかの段階で発生する可能性があります。配備済みデバイスの通常のサポートとしては、コールセンター、技術者の派遣、障害状況の再現を試みる方法などがありますが、これらは時間がかかり、決め手に欠けることが多く、コストがかかるのが常です。現在では、極めて難しい事例になると、診断と解決のために開発に差し戻され、このため新製品を予定通りに出荷できなくなって、会社に損害を与えるケースも少なくありません。フィールドエンジニアは、与えられたリソースを超える重い責任を負わされることも多く、サポートを求められるソフトウェアに関する十分な知識もないのに対し、顧客は当然のことながら、問題がすぐに解決されることを求めてきます。
Field Diagnostics
Wind River Field Diagnosticsを使用すれば、サポータビリティを確保して、アプリケーションを設計することができます。コードとともに作成したセンサーポイントを現場で「動的に挿入する」ことにより、不具合を遠隔で診断し、配備済み製品からリアルタイムデータを収集できます。コールセンター要員は、センサーポイントを使って、より広範に問題を識別し修正することが可能になります。迅速な処理が求められる問題の場合、サポートエンジニアは実行中のソフトウェアのデータにアクセスし、事実に基づく分析を行い、パッチをサポートチームに迅速に送信することができます。パッチポイントテクノロジを使えば、デバイスを再起動せずに現場で実行中のアプリケーションにパッチをあてることができ、ダウンタイムを最小限に抑えられます。サポートやメンテナンスが完了したら、サポートエンジニアはシステムの計測に使用したセンサーポイントを無効にします。こうすることにより、システムパフォーマンスへの影響が最小限に抑えられ、デバイスのセキュリティが確保されます。配備済みデバイスから集められた情報は実地の知識ベースとなり、フィールドエンジニアやテストエンジニアがアクセスできるのはもちろん、次世代製品の開発を担当するチームでも活用されます。モデル固有、コンフィギュレーション固有のセンサーポイントと、対応する修正にアクセスできるため、サポートエンジニアは、複雑化する一方のソフトウェアの諸問題を短時間で診断し、解決することが可能になります。
管理者
課題
お客様は、当然のことながらパフォーマンス、機能、アップタイムを要求します。経営陣も、事業を推進し、マージンを最適化し、新規顧客を獲得し、既存顧客を堅持するために、お客様と同様の要求を、それもより速く、コストをできるだけかけずに、きちんと実現することを求めてきます。こうした目標を達成する上で障害となるのが、リソースの制約、重複する作業、複雑さなどの問題です。
サポートは、結果的にコストのかかる作業となる場合が非常に多く、呼び出しの少なくとも10パーセントは、エンジニアが現場に出かけてデータを収集し、本社に戻ってから時には数人がかりで問題の再現に数時間(あるいは数日)を費やした後で、はじめて解決できるものです。配備済みソフトウェアのアップデートやアップグレードがきちんとできるかどうかによって、OEMメーカーが選別化される時代にあって、資金力のある大企業でなければ、遠隔モニタリングやメンテナンスのシステムを実施することは実現不可能な状況にあります。
Field Diagnostics
ウインドリバーのField Diagnosticsソリューションは、製品のライフサイクル全体にわたって、開発チームとサポートチームをつなぐツールです。シングルアプリケーションのデバッグ、統合システムのテスト、現場での製品サポートのための、共通のインフラとツールセットとなるもので、Field Diagnosticsは、独自の診断テクノロジをセキュアな分散型情報管理システムと組み合わせることにより、製品設計を担当したエンジニアの退職後でも、時間とともに価値が増す知識ライブラリを構築することを可能にします。
Test Managementを補完するField Diagnostics
Field Diagnosticsは、ラボでのテストを現場に配備した製品に活用し、生産性をさらに向上させるために、姉妹品であるWind River Test Managementと組み合わせて使用することを前提に設計されています。
