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2008年で創業36年を迎える株式会社電産は、国産初のボードメーカーとして知られるエレクトロニクス業界の老舗である。ウインドリバーとは、1989年の日本法人立ち上げに協力した時からのパートナー。ほぼすべての製品をVxWorksに対応させ、販売後も細かなサポートを提供することで、市場から高い評価を得ている。
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徹底的なQC活動で顧客に安心を提供
株式会社電産(以下、電産)は、高品質、コストパフォーマンス、納期、提案力、そして問題解決力の5つの要素によって、顧客に大きな安心感を提供するボードメーカーだ。製造、放送・通信、交通・プラント、計測器、航空・宇宙などの業界で、価格の安さより高品質な製品の提供を訴求する企業を主要な顧客としている。
歴史は古く、2008年で創業36周年を迎えた。創業当時はUNIXベースのワークステーション型ユニットでビジネスを成長させてきたが、1980年代に入ってボードの開発・提供にフォーカス。国産初のボードメーカーとして知名度を高め、1990年代にはVMEボードの提供で揺るぎない地位を獲得している。
ビジネスでは、OEMが売上高の約70%を占める。カタログ製品を提供するだけでなく、きょう体設計の段階から顧客に提案を行い、量産にあたっての組立試験や量産後の製品検査を請け負えるプロフェッショナルサービスに定評がある。中でも、CPU周辺技術に強く、OSの選定に携わることも多い。
顧客にとってクリティカルなプロセスを任せられるわけだが、電産 営業部 営業企画担当 課長補佐 高木 康晴氏は、「顧客に安心感を提供するプロセスは、ISOやISMSを取得していることでも明らかですが、実際はさらに厳しい業務運用を行っています」と胸を張る。たとえば、CE・CCと呼ばれる活動によって、納入する製品が確実に同じ仕様で作られていることを保証している。さらに、品質対策会議は2週間に1度、社長出席の下で行われている。
環境規制についても、RoHSに対応し、REACH等といった最新の規制に対応予定。調達した製品に貼られるシールのインクや紙の材質に至るまで調査対象とする。こうした活動により、複数の大手メーカーのグリーンパートナーとして認められている。
ファブレスの強みを検査と調達でさらに高める
電産は、創業以来ファブレス経営を続けている。製造プロセスを任せるのは、国内大手メーカー系の4社が中心だ。品質対策会議は、社内だけでなく、EMS各社とも定期的に実施する。高木氏は、次のように話す。
「ファブレスこそがわれわれの強みです。複数のEMSと付き合うことで、さまざまな問題点をシェアすることができるため、対策を取りやすいのです。また、同じ問題を2度と起こさないように各社と調整することで、さらなる品質向上を図ることができます」
製造プロセスは外注だが、すべての部材やOSは電産が調達する。これらについての知識を社内の技術部門で蓄積し、次の提案につなげることが狙いだ。出荷にあたっては、技術者の目視による全数出荷検査をすべての製品に対して行っている。
こうした万全の体制が、長く安定してビジネスを成長してきた同社の力の源泉となっている。その同社が、満を持して2008年9月にリリースする製品が「DMB-P8545-PbF」だ。同製品は、フリースケール製のPowerQUICC IIIプロセッサ「MPC8545」を搭載し、メインメモリに512MBのDDR2-SDRAM SO-DIMMを採用したMicroATXサイズのシングルボードコンピュータだ。評価ボードでありながら、そのまま装置に組み込める製品として、大きな期待を集めているという。
もちろん、BSPはVxWorks5.5.X/6.Xに対応する。
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| DMB-P8545-PbFのブロック図。2008年9月に出荷される。 |
顧客の立場で行うTSRが好評
電産にとって、VxWorksはさらなる成長に欠かせないツールとしての位置づけだ。たとえば、新規顧客に信頼性の高いVxWorksの導入をサポートすることで、満足度を高めてもらうことができる。
実際に、顧客の開発現場でインストール作業を支援するなど、初めてVxWorksを使用する顧客に対して手厚いサポートを提供するケースも多いという。電産 多摩技術センター 設計部 次長 吉田 敬史氏は、「顧客の担当者がいかに優秀な技術者であっても、使い始めは何かとトラブルに巻き込まれるもの。その部分をわれわれがお手伝いすることで、スムーズに開発を始めてもらうことができます」と話している。
開発が進むと、大小さまざまな問題が発生するものだ。その際に問われるのが、メーカーのサポート力。同社は、ウインドリバーのパートナーとして、VxWorksのソースコードを開示されており、さまざまなCPUのBSP(Board Support Package)を自社開発しているため、通常ウインドリバーが回答する部分の質問にも的確な回答を用意することができる。
複雑な問題には、顧客になりかわって同社がウインドリバーにTSR(テクニカル・サポート・リクエスト)を上げる。これは、特に新規顧客から好評だという。
「新規顧客の場合、“このレベルの疑問でTSRを上げていいのだろうか”と悩むこともありますが、われわれに相談した段階で解決できなければウインドリバーに頼ります。そうした際に顧客の聞きたいことをウインドリバーの技術者が回答しやすいTSRへと“翻訳”することで、的確な回答を迅速に得ることができるのです」(吉田氏)
Wind River Linuxのサポートも提供へ
電産は、Wind River Linuxへの対応に取り組み始めている。Linuxに欠けているリアルタイム性を、ウインドリバーがFSMLabsからハードリアルタイムLinux技術 RTCoreを獲得、実現したことも、Linux対応に踏み出した要因という。高い信頼性を第一とする既存顧客からは、それほど強いLinuxへのニーズは感じないものの、まずは評価やデモにLinuxを活用する方向だ。
吉田氏は、「われわれには、バークレー版からUNIXシステムを販売してきた実績があります。技術のベースは社内に蓄積されているため、VxWorksにおける協業で培ったウインドリバーとの良好な関係をLinux分野へも拡大していきたいと考えています。」と話している。
EMS各社と電産、そして製品メーカーは、電産の優れた開発/検査/フィードバックというプロセスを通してWin-Win-Winの関係にある。それに電産の親密パートナーのウインドリバーが加わり、製品開発にかかわるすべてのプレイヤーにメリットのある関係が出来上がっている。今後は、VxWorksにLinuxが加わる。協業の輪の広がりは、顧客にさらなるメリットを生み出してくれるだろう。
ウインドリバーパートナー製品紹介ページ
http://www.windriver.com/japan/alliances/directory/list/densan.html


