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株式会社アバールデータ(以下、アバールデータ)は、2008年に50期目を迎えるエレクトロニクス・メーカーだ。1991年にJASDAQに上場するなど、組込み製品開発業界の認知度向上に貢献したリーディング・カンパニーとして、確固たる実績を誇る。鉛フリーの設計・開発などの環境対策にも早くから取り組み、2006年からは新製品の100%をRoHS指令に対応させている。さまざまな組込みOSに豊富な経験を持つ中で、ウインドリバーの日本市場進出以来、VxWorksを長く取り扱い、親密なパートナーとして現在に至っている。
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組込み、画像処理、通信の3本柱
アバールデータは、1979年より発売されたポータブルタイプのPROMプログラマ「ペッカー」シリーズがベストセラーとなったことにより、大きく成長した企業として知られる。いまでは、本社/町田事業所と厚木事業所、そしてグループ会社「株式会社アバール長崎」を拠点とし、グループ全体で約300人の従業員が働いている。
現在のビジネスは、半導体製造装置向け組込み機器が中心で、売上の約半分を占める。この組込みモジュールに加え、画像処理モジュール、計測通信機器の3つが自社製品ビジネスの柱となっており、この3つの技術を核として、それらを最適に組み合わせた製品を提供している(図1)。
その中で、ウインドリバーのVxWorksと関係が深いのは、半導体製造装置向け組込みモジュールだ。たとえば、VxWorksをポーティングしたCompact PCIバス製品を中心に、多様なカメラインターフェイスをサポートする画像キャプチャモジュールおよび画像処理ソフト、インテリジェント・ラインセンサ・カメラ、さらに光ファイバーを利用して装置間の高速通信を可能にしたGiGA CHANNELシリーズなどを組み合わせたトータルなシステム提案を行うことができる。
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| GIGA CHANNELシリーズ |
アバールデータ 取締役 営業部 ゼネラルマネジャー 池田 達哉氏は、次のように話す。「われわれの強みは、技術力だけでなく、技術を具現する自社工場を持っていることにあります。これにより、窓口を一本化したトータルなサポートをお客様に提供することが可能になります」
アバールデータは、厚木に2ライン、長崎に3ラインのSMTラインを整備。顧客ニーズに合わせて、その都度変化する生産量に対応する「多品種変量生産」の体制を敷くこともできる。
企画・開発と生産が密に連携しているため、試作機を自社で作り、品質を高めるために行う調整作業もスムーズになる。たとえば、同社は1995年に品質システムの国際規格ISO9001を、また2001年に環境マネジメントの国際規格であるISO14000を取得しているが、実際の社内基準はこの規格より厳しい。自社工場があるということは、厳格な社内規格を生産プロセスでも遵守させていることの証明につながる。
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| 図1:アバールデータのコア・テクノロジ |
1つひとつの活動を見直し、改善につなげる
アバールデータは2003年より、「生産革新運動ARP(AvaldataRevolution Plan)」に取り組んでいる。この活動は、主に工場であらゆるスタッフがものづくりの品質やコストを1点ずつ見直しながら改革を進めていくというもので、改善活動の見える化につながっている。
この活動は、社内だけでなく、工場見学に来た顧客からも好評だという。取締役 ソフトウェア開発部 ゼネラルマネジャー 広光 勲氏は、次のように話す。「各部署で実施した活動や、改善の工夫がリアルに見えるのです。たとえば、生産プロセスでラインから落としてしまった部品を集めて“もったいないグラフ” を作っている部署があります。こうしたアイデアを持ち寄り、日々の改善活動の見える化を進めることにより、最終的には品質の向上と顧客満足度のアップにつながっています」
こうした活動で、あたかも工場全体が優秀なセールスマンとしても機能するようになったという。もともと、「弊社の技術者は外に出てお客様と話すのが好き。人見知りをする技術者はほとんどいません」(広光氏)という土壌もある。実際に開発や生産の現場を見てもらい、その技術と品質向上への取り組みを肌で感じてもらうことが、顧客に安心感を提供することにつながっているようだ。
VxWorksのポテンシャルは高い
VxWorksをプラットフォームとする優れた製品を長年提供してきた同社にとって、VxWorksはどのようなOSなのだろうか。
広光氏は、「OSそのものに柔軟性がありますし、デバッグがやりやすいことなどを含め、使いやすいOSですね。また、設計思想を変えずに長く活用されているOSとして、安心と信頼を感じます。また、サポート力のあるOSだとも思います」と語る。
サポート力の部分では、PowerPCの新プロセッサが発表されると、すぐにBSP(Board Support Package)のひな形が提供されることが一例だ。CPUに対するBSPの準備が早ければ、開発を早期に進めることができ、新製品をいち早く顧客に届けることができる。
池田氏は、「われわれがVxWorksを提案するケースはほとんどなく、たいていの場合、お客様の方からVxWorksを指定されます」と明かす。
ここ数年、インダストリー系のシステムを中心に、VMEボードからCompact PCIに移行するケースが増えてきているが、その際にOSを選択する余地が生まれる。池田氏は、Compact PCIでもVxWorksを使いたいと考える顧客が増えていると指摘する。「ハードウェアが変わっても、OSはお客様が決めます。中でも高い信頼性を求められる半導体製造装置向けシステムは、サポートに定評のあるウインドリバーのVxWorksでいきたいという多くのお客様がいます。Compact PCIへの過渡期に、VxWorksのポテンシャルが上がってきたと感じますね」(池田氏)
「正直な商売」で受託開発を伸ばしたい
最近大きな注目を集めた新製品は、2008年春に発売したAAE-B04(PCI Express bridge LSI)。4レーンPCI Expressの物理層、データリンク層、トランザクション層の処理回路を中心に、ローカルバス・コントローラ、メモリ・コントローラ、2チャンネルのDMAコントローラ、FPGAのコンフィギュレーション・ポートなどを1つのチップに集積した。インタフェース周りはAAE-B04に任せて、顧客は本来の目的である論理設計だけに専念できる。
広光氏は、「設計者の目で見て、“こんな製品があったらいいな”というものができあがりました。自社製品にも採用しており、すでに10種類以上の製品がリリースされています。結果、開発コストを30%以上削減することに成功しています」と話す。
このようにユニークな製品を生み出す技術力を軸に、VxWorksを知り尽くしたアバールデータは今後、要素技術を生かした提案型営業で、受託開発ビジネスをさらに伸ばしていきたい考えだ。
池田氏は、「ずっと正直にビジネスをしてきましたから、まじめにサポートに取り組んでくれる会社としてお客様から高い評価をいただいています。ASICを自社で開発することもできますし、本当の意味でトータルなソリューションを提供できるのは大きな強みで、上場企業としての信頼性もアピールできます」と話す。「受託開発は、お客様と仕様を議論することから始まります。お客様と一緒になって、新しいアイデアをどんどん形にしていきたいですね」
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| ACPモジュール |
ウインドリバーパートナー製品紹介ページ
http://www.windriver.com/japan/alliances/directory/list/avaldata.html




