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アームは、ARMアーキテクチャのCPUコア(ARMコア)をライセンス供与しているIP(Intellectual Property)ベンダである。ARMコアをライセンスしている半導体メーカは数多く、各半導体メーカからはそれぞれ特色を持たせたARM搭載プロセッサが提供されており、いまやARMアーキテクチャは最も普及したCPUアーキテクチャのひとつとなっている。ウインドリバーとはお互いのパートナープログラムに参加し合っており、親密な関係を続けている。
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ARMアーキテクチャのCPUコアをライセンス供与しているIPベンダ
組込みシステムに搭載されるマイコンとして、ARM搭載プロセッサは急速な伸びを示しており、2006年には1年間に出荷されるARMアーキテクチャのCPUコアは24億個にも達したという。
これだけのARMコアが出荷されているにも関わらず、アームは実際に半導体そのものを販売しているわけではなく、ARMアーキテクチャのCPUコア(ARMコア)をライセンス供与しているI P(Intellectual Property)ベンダである。
ひとことでARM搭載プロセッサといっても、それを製造・販売しているメーカは数多く、2007年9月末においてライセンシーはワールドワイドで204社にのぼり、同じARMコアを搭載しているマイコンやプロセッサ、SoCなどであったとしても、それぞれ異なるブランドで提供されていることになる。
マイコンを選択するときのポイントのひとつとして、既存のソフトウェア資産や開発環境、スキルを活用できるかどうかがあげられる。したがって、同一アーキテクチャのコアを搭載したマイコンを正しく選択することが必要である。
ARMコアを搭載している製品であれば、メーカやブランドが異なったとしても、同じARMアーキテチャであることから、開発環境を共用でき、既存の多くの資産を活かすことも可能となる。
「ARMコアは、低消費電力ながら高い性能を実現しており、携帯電話やポータブル音楽プレーヤー、デジカメなどのモバイル製品をはじめ、プリンタやテレビ、自動車、ネットワーク製品、ゲームなど幅広いジャンルの製品に採用されています」(平田氏)という。
今後発表するすべてのコアについてマルチコアに対応していく
現在、ARMコア・ファミリとして、ARM7、ARM9、ARM10、ARM11、Cortexの各ファミリが提供されいる。また、ARM11 MPCoreやCortex-A9 MPCoreといったマルチコアも提供している。
マルチコア・プロセッサは、今後、組込みシステムにおいても主流なプロセッサとなっていくだろう。アームは、すでに2005年のARM11 MPCoreからマルチコアを提供してきており、ARM11MPCoreを統合したサンプル・デバイスの発表、OSやミドルウェアのサポートも増加するなど、着実にMPCoreへのサポートは充実してきている。ちなみに、VxWorksもサポートされるOSのひとつとなっている。
「パソコン系のプロセッサではマルチコアが全盛となっていますが、それらのプロセッサと提供しているメーカがマルチコアへと舵取りを切る以前に、アームはマルチコア・プロセッサIPを提供しています」(小林氏)。
アームでは、同社のマルチコアに向けた技術を「ARM MPCore Technology」と称している。
その特長として、
(1)完全に統合、および検証されたスケーラブルなマルチコア・プロセッサである
(2)統合された分散割り込みやプロセッサ間通信ユニットを持つ
(3)スヌープ・コントロール・ユニットによる高機能な改良されたキャッシュ・コヒーレンスが確保されている
といったことがあげられる。
「初めからマルチコアを想定したハードウェアとなっており、1つから4つまでのコアを自由に実装できるなど高い柔軟性を実現しています。そして、それぞれのCPUコアに個別にOSを走らせたAMP構成にすることや、SMP構成にしてひとつのOSを走らせることも、ソフトウェア開発者が自由に選択することができます」(小林氏)。
たとえば、4つのCPUコアを搭載している場合、3つのCPUをSMP構成としてLinuxなどを搭載して重いマルチメディア処理を行わせ、残り1CPUには軽いリアルタイムOSを搭載してプロトコル処理を担わせるといった、SMP構成とAMP構成を混在させる使い方なども自由にできる。(図1)
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| 図1:ARM MPCore Technologyによるマルチコアは、 SMP構成とAMP構成の混在なども自由に設定できる |
「電力制限が厳しくなるなか、マルチコアへのニーズはますます高まっていきます。アームとしても、今後発表するすべてのアプリケーション向けプロセッサコアはマルチコアに対応していきます」(平田氏)とのことだ。(図2)
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| 図2:アームのプロセッサ・ロードマップ |
Wind River Linuxと開発環境Wind River WorkbenchでTrustZone技術をサポート
アームとウインドリバーは、本社同士や日本法人同士においてお互いのパートナープログラムに参加し合っており、親密な関係を続けてきた。
「パートナー関連の基本的な戦略は本社同士で決定し、日本ではそれをローカライズして実施しています」(平田氏)。日本法人とのパートナープログラムは、それが実施された当初から参加している。
また、アームは、2006年4月にウインドリバーが設立した「マルチコア・デバイス・イニシアティブ」にも参画している。マルチコア型プロセッサを採用した組込みシステムのソフトウェア開発を容易にすることを狙ったもので、組込み分野でのマルチコア技術の標準化やマルチコア向け組込みソフトウェア開発の効率化を促進するツールの開発などに注力するものだ。このためにも半導体ベンダとの協業は重要となっており、その1社としてアームもウインドリバーと連携していくという。
こういったパートナーシップの成果のひとつとして、アームのセキュリティ技術であるTrustZoneのサポートがあげられる。
TrustZoneは、ARMプロセッサ上で暗号鍵などを外敵の攻撃から守り、高いセキュリティ性を実現できる機能である。ウインドリバーでは、すでに2005年10月にはLinuxベースのプラットフォームと開発環境Wind River Workbenchで、TrustZone技術をサポートすることを発表している。
「実際の製品としては、今年からメディアプレーヤーなどに搭載される予定です。これを足がかりに今後は携帯電話などへの搭載も期待しています」(平田氏)。
SMP対応版のVxWorksでARM11 MPCoreをサポート
さらに、ウインドリバーとのパートナーシップとして、マルチコア対応への期待も大きい。その動きのひとつとして、2007年10月に発表されたSMP対応版のVxWorks(VxWorks 6.6)ではARM11 MPCoreもサポートされている。
同時に、開発環境Wind River WorkbenchやWorkbench forOn-Chip Debugging(JTAGツール)もSMPに対応しており、マルチコアでの効率的なソフトウェア開発を図ることができる。
「ネットワーク機器やオフィス機器など、ARMプロセッサ上にVxWorksが搭載されたシステムも多く、それらのシステムがマルチコア化する傾向にあります。なので、VxWorksのSMP対応版には大いに期待しています」(平田氏)。
また、小林氏も「SMPはソフトウェア技術が重要であり、実績のあるVxWorksがSMPに対応したことは、VxWorksの既存ユーザがマルチコアへ移行するきっかけになり、アームとしてもマルチコアのプロモーションがやりやすくなるので大きなメリットを感じています」とのことだ。
なお、平田氏は、「マルチコアに対してユーザが気にする点として、対応するOSがあるのかとか、ソフトウェアをどうやって開発したらよいかなど、ソフトウェアに対する不安があります。そうしたなかで、ウインドリバーのようにリアルタイムOSであるVxWorksとLinuxという2つのOSを持っているベンダがマルチコアに対応していることは、ユーザにとってもメリットが大きい」という。
小林氏も、「マルチコアをどのように活用したらよいか悩んでいるユーザも多いので、リアルタイムOS(VxWorks)とLinuxの両方を提供しているウインドリバーには、ソフトウェア面から見たマルチコアの活用方法などのコンサルティングも含めた幅広いサポートも期待しています」とのことだ。
両氏とも、ウインドリバーがARMコアを積極的にサポートしていることに対して、実績あるOSの選択肢が増えることはユーザにとってもメリットが大きいと、アームとウインドリバーとのパートナーシップには多いに期待しているとのことだった。
ウインドリバーパートナー製品紹介ページ
http://www.windriver.com/japan/alliances/directory/list/arm.html



